悲しい絵本を子供に見せる意味|豊かな感情は動物が教えてくれる

「かわいそうなぞう」っという本をご存知ですか?
私は、ある方の本で知ったのですが、超悲しい絵本です。
でも、この本がその方の娘さんが一番大切にし、本が擦り切れるくらい何度も何度も読んだ本だそうです。
そして、この超悲しい絵本から娘さんは、優しい心を知っていったそうです。
■かわいそうなぞうのストーリー
この本は、1970年に発行された名作です。
戦争中の、上野動物園で本当にあった、悲しいお話です。
空襲に遭って猛獣たちが檻から逃げ出したら危険だと判断した人間によって、動物達の殺処分命令がくだったお話です。
ライオンや熊たちは、毒入りのエサを食べさせられ死んだそうです。でもゾウは、毒入りのエサを吐き出し、食べなかったそうです。
仕方がないのでエサを与えず、餓死させる方法がとられたのですが、お腹をすかせたゾウ達は、一生懸命飼育員に芸をして、エサが欲しいと訴えたそうです。
最後、ゾウたちは順に餓死していったという、実話です。
■かわいそうなぞうが教えてくれること
もう、あらすじを読んでいるだけで、動物の立場に立って考えても、人間の立場に立って考えても、ただただ泣けてきます。
この本を擦り切れる程何度も涙を流しながら読んでいた娘さんですが、ある時から「読めなくなった」と言い出したそうです。
動物達の心の痛みに触れるのが、辛くなったのです。
でもそれは、他者の痛みを思いやる心が育まれたということであり、心が成長したという証拠です。
■良書が教えてくれること
私、恥ずかしながら、この時、自分の価値観の浅さを痛感しました。
今まで、どうして悲しい本を幼い子どもに読ませるんだろう?っと疑問に思っていた部分があったのです。子供に悲しい本を読ませることの意味を理解していなかったのです。
子供が純粋な時期に、戦争の悲劇や貧しい人の不幸、それに負けない勇気や生き方、人と動物との関係etcを、物語の世界を通じて考えさせてあげることが大切なんだということを知りました。
優しい心はもちろんですが、豊かな感情は、こういう所から育まれるんですよね。
この本は6~7歳の子にオススメとネットでは書かれていましたが、2、3歳の時期から読ませているお母さんが多くいらっしゃいました。
私も息子に読んであげたいと思います。
読んだら、またブログ書きます。
かわいそうなぞう [ 土家由岐雄 ]
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